1コンクール総評

令和7年度埼玉県児童・生徒木工工作コンクールでは、埼玉県内小学生、中学生の皆さんか ら 188 点もの出品がありました。それぞれ木材の良さ、質感を生かし、それぞれの児童・生徒 の皆さんの想像力、アイデアが感じられる作品に仕上がっていたと思います。
そうした作品から、今年度も埼玉県知事賞2点、埼玉県教育長賞1点など、上位入賞作品を 選ぶことができました。優れた作品が多い中、多くの時間をかけ、1 点ずつ丁寧に審査した結 果ですので、以下、紹介させていただきます。
まず埼玉県知事賞(小学校の部)では「宝箱が眠る海」を選出しました。丸太を中心に海の 中を表現し、ゆるやかな水の流れが上手に表現されています。また宝箱の存在が、語られてい ない物語を強く感じさせます。一つ一つの部品も丁寧に作られており、愛らしい生き物たちが 彩る海の表現が高く評価されました。
埼玉県知事賞(中学生の部)では、「幸福神社(意見箱)」が選出されました。伝統的な木造 建築である神社をモチーフに、みんなが意見を出し、その実現を願う意見箱に仕上げたアイデ アと、作者の作品への思いが高く評価されました。屋根部分の接合などは中学生らしく、正確 に、丁寧に仕上げられています。実際の寺社建築の様式を取り入れたら、さらに良くなるでし ょう。とても風格のある作品です。
埼玉県教育長賞には、「最強海賊船」が選ばれました。1cm のブロック木片を根気強くつな げた努力、かんなくずで表現された荒々しい海、風を受ける帆などの臨場感が高く評価されま した。それぞれの木材の特徴、質感がよく生かされた作品です。
上位3作品には選ばれませんでしたが、注目される作品も多くありました。繊細に表現され た「セピア色のパキラ」は今までにない新しいチャレンジであり、質感が見事に表現された「ア ルマジロトカゲお食事中」や「久慈朱」などは技術や着想が素晴らしいと評価されました。「お んぶのもりのどんぐりたち」は、ストーリー性があり、粘り強く取り組まれた作品でした。
こうした上位賞に選ばれた作品に共通するのは、粘り強く取り組まれたこと、そして児童・生徒 の発達に応じたアイデア、そしてオリジナリティです。小さな思いやアイデアを大切にし、そ れを丁寧に形にする努力。そうした作品作りに今後も取り組んでいただければ幸いです。
木工工作などの体験活動は、最近注目される非認知的能力の育成に深くつながっっています。 作品作りで培われる主体性や積極性、粘り強さなどは、学び続ける力をきっと高めるはずです。 今後も木を使ったものづくり、そして本コンクールに関心をおもちいただき、健やかな心と体 をもつ子どもの育成に関わっていただきますようお願い申し上げます。
審査委員長 埼玉大学教育学部教授 浅田 茂裕




